Japanese Section, York University
AP/JP4000 6.0
Reading & Writing: Description

「カ ナダ日本研究学会」'Japan Studies Association of Canada [JSAC]'

 



カナダ日本研究学会(通称
JSAC)は、カナダ唯一の 日本研究者のための組織で ある。 1987年にアルバータ大学で「近代日本」をテーマとした学会が開催さ れたのを>嚆矢と して、 翌年以 降年次総会及 び学会がカナダ各地で、特に大学を中心として、開かれてきた。設立当 初は、社会科学者による、社会科学各分野のための学会であったが、1990年代 に入って、言語及び 文化に関する部会も設置さ れるようになり、現在では、政治・経済・社会・芸術、文学・哲学・ 宗教・人類学・地理学・言語・言語学・コミュニケーション・科学など、日本研究に関わるあら ゆる分野を包摂す る学際的な学会に変容し ている。現会長はウォータールー大学人文学部長のケン・コーツ氏で、常時会員百名弱のこじんまりとした学会 では あるが、例年の学会には、カナダだけではなく、アメリカ、日本、またその他の国からも発表者が出席し、多い時に は二百名以上の出席者がある。参会者から、しばしば聞かれる意見は、小さい学会なので、色々な部会に出席 し、異 なる分野の研究発表が聞けること、会員が非常に友好的で、それぞれの発表にも、 痛烈批判>で はなく、各分野の有識者か ら 非常に有益な アドバイスがもらえるという声である。JSACは、ここ数年来、特に若手の日本研究者の養成に 力を入れてお り、大学院生の発表も多く奨励し ている。学会発表に経験の少ない若手の研究者には 絶好の 発表の機会にな ると思われる。それと同時に発表論文の質の向上にも心がけ、それぞれの分野の研究者が、毎年異なるテーマの下に日本研究における新しい側面を 模索す る研究発表を行っている。

 
JSACは設立当初より、主として国際交流基金からの助成金によって年次総 会・ 学会の開催と運営を行ってきたが、今年十月にレスブリッジで行われた学会も二十二回目となり、カナダにおけ る日本研究者の世代交代と、若手研究者の台頭顕著になり、国 際交 流基金の長年にわたる援助が 実り始めていると言えよう。その他、在カナダ日本公館及び企業からの支援と援助も本学会継続の大きな一助に なっていることを付け加えておきたい。

 カナダ日本研究学 会の もう一つの試みは、世界にある日本研究学会との連携・ 協力で、2007年に本学会初めての国際学会がヨーク大学で開催されたのは、各国の日本研究者とのネッ ト ワーク作りが目的の一つであり、オーストラリア、メキシコ、ヨーロッパから基調報 告者を招待し、他国からの参会者も含めて、友好を深め、将来の協力を誓った。 近い将来、日本研究の世界組織を構築す ることもその射程に 入れている。現在のところ、オーストラリア日本研究学会及びヨーロッパ日本研究学会、また日本カナ ダ研究学 会が 主な協賛団 体である。

 
当学会には、これまであまり日本語教育関係者の出席が見られず、残念に思っていたが、最近、少しずつで はあ るが、日本語教師の参加が見られるようになり、非常にいい傾向だ と思っている。 日本語を教えるためには、日本に関する各分野の知識が必要とされるので、
JSACは一年に一度、学際 的な 知識を吸収す るための絶好の機会であると思われる。筆者は毎年、言語・文化の部会を組織して、言語教育の発表を奨励 して きたが、ただ出席するだけでなく、研究発表もしてみようという日本語教育の実践者が増えることを期待してい る。

 
 尚、詳しくは、下記のウエッブ・サイト参照の ほど。

 

http://buna.arts.yorku.ca/jsac/

 

カナダ日本研究学会執行 部渉外担当 太田徳夫 (文責) E-mail: nota@yorku.ca


© Norio Ota  2009