ヨーク大学日本語科二学年読解・会話教材
AS/JP2000 6.0 Reading Comprehension and Dialogue
第29課「就職
Lesson 29: Employment


「読解」Reading Comprehension

 日本語の三年のコースを取っているリンダ・エヴァンズさんは、今年のヨーク大学を卒業するつもりです。主専攻政治学で、副専攻東アジア研究です。四年生になってからすぐ仕事探し始めましたが、就職難でなかなかいい仕事がありません。リンダさんは日本語もできるし、コンピューターもできるので、の学生よりは強みがありますが、応募した会社からはまだいい返事が来ていません。新聞広告就職部に来ている求人広告などで、仕事を見つけるのですが、自分にどんな仕事が合っているかを決めるのもなかなか大変です。面接銀行航空会社二社であって、うまくいったと思ったのに結果はだめでした。どこが悪かったかがはっきり分からないので、の面接が心配です。日本政府主催しているJETプログラムにも応募してみたら、一次書類審査通り、もうすぐ面接があることになっています。競争激しいので、選ばれるかどうかはまったく予想がつきませんが、何とかがんばってみるつもりです。交換留学生清水まゆみさんも、今春日本に帰るとすぐ就職戦線です。日本語のクラスが終わって、リンダさんと清水さんはカフェテリアでコーヒーを飲みながら、就職について話しています。

「会話」Conversation

まゆみ:リンダさんは今年卒業でしょう。後どうするの。
リンダ:まだ分からないの。いろいろな会社に応募してみたんだけど、なかなかいい返事が来ないのよ。JETだけ一次の書類審査をパスしたので、もうすぐ面接があるの。
まゆみ:JETに受かったら、いつから日本に行くの。
リンダ:六月か八月らしいわ。
まゆみ:面接は自信あるの。
リンダ:とんでもない。もう二つ受けて二回ともだめだったから、ぜんぜん自信ないの。ずいぶん準備したのに、うまくいかなかったから、理由知りたいんだけど、誰も教えてくれないから、困るわ。
まゆみ:がんばってね。日本に来られたら、家に遊びにいらっしゃいよ。
リンダ:ありがとう。面接でどんなことを聞かれるか分からないけど、質問にきちっと答えるようにしてがんばるわ。ところで、まゆみさんも日本に帰ったら、すぐ就職運動を始めるんでしょう。
まゆみ:ええ、だから、ここの勉強が終わったら、アメリカに一週間ぐらいいて、その後すぐ日本に帰るの。
リンダ:どんな会社を狙っているの。
まゆみ:貿易関係商事会社がいいと思うんだけど、競争率が高いから、難しいわ。
リンダ:競争率は何倍ぐらい。
まゆみ:会社によって少し違うけど、大手は百倍のところもあるらしいわ。特に女性は就職難で、男性より大変みたい。
リンダ:やはり面接があるんでしょう。
まゆみ:ええ、たいてい一次試験が筆記試験で、二次が面接よ。一次は英語経済法律のところが多いわ。
リンダ:会社はどうやって探すの。
まゆみ:たいてい大学の就職部があって、そこで紹介してくれるけど、ゼミの先生の紹介があれば、だいぶ違うわ。
リンダ:へええ、先生が就職を紹介してくれるの。ずいぶん親切ねえ。
まゆみ:ええ、就職部も先生も学生をいい会社に入れれば、大学のためにもなるので、かなり手伝ってくれるわ。カナダでは。
リンダ:そういうことはほとんどなくて、たいてい自分で全部しなければならないわ。
まゆみ:それは大変ね。お互いにがんばりましょう。

© Norio Ota 2012
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