ヨーク大学日本語科二学年読解・会話教材

AS/JP2000 6.0 Reading Comprehension and Dialogue

31課「将来計画

Lesson 31: Future Plan


「読解」Reading Comprehension

大学生は、たいてい四年生になると、進学就職について真剣考え始めます。道子さんは、これまであまり将来のことを考えたことがないのですが、もうすぐ三年が終わるので、卒業した後で、何をするかについて、そろそろ計画立てなければならないと思っています。あまり自分自信がない道子さんは、自分なんかに何ができるだろうかと不安感じています。将来は、大学院入って専攻情報科学勉強続けたいことは続けたいのですが、その前に、社会出て実際経験積んで、自分で生活ができるようになりたいのです。でも、企業に入ることにすれば、少なくとも、五年間は仕事をしなければならないので、その後で大学院に行ったら、だいぶ年を取ってしまいます。結婚のことも考えなければならないし、仕事をしながら、勉強することはかなり大変なので、女ってだなあとよく思います。高校時代同級生の中には、もう結婚して子供ができている人もいるので、いい人がいたら、結婚してしまおうかとも思うことがあります。考えれば考えるほど心配になって誰か相談したくなって、今日はアドヴァイザーの寺田先生に相談に行っています。


「会話」Dialogue

 

道子:寺田先生、今日はちょっと「人生相談」に伺ったのですが。

 

寺田:どうしたの。何かなやみごと。

 

道子:ええ、人生の生き方っていうか、将来どんなことをやったら

   いいのかぜん ぜん見当がつかないものですから。

 

寺田:あなたは、今度四年生になるんでしたね。

 

道子:はい、卒業してから何をするか考えているところなのですが、

   大学院に行こうか、会社に入ろうか迷っています。

 

寺田:本当は何をしてみたいの。

 

道子:将来は大学院に進みたいのですが、今は、できるだけ経済的

   に自立して、頼らずに、自分で生活してみたいのです。

   仕事をしながら、お金を貯めて、大学院に行ければいいと思

   っています。

 

寺田:そういう考え方には私も賛成ね。では、早速就職探しをする

   ことにしたら。

 

道子:でも、先生、会社に入ると、しばらくは続けなければならな 

   いのではないでしょうか。それから大学院に行くとすれば、

   結構いいおばさんになってしまいます。

 

寺田:それもそうね。結婚するかもしれないしね。

 

道子:結婚のことなどまだ考えたこともないんですが、いずれはす

   るかもしれません。

 

寺田:それでは、「平和協力隊」か何かで、二、三年外国に行って

   来たら。お金も少し貯まるし、いい経験ができるわよ。大学

   院に入る時も、そういう経験があるとかなり有利よ。

 

道子:それは考えてもみませんでした。さっそく調べて応募してみ

   ます。先生に推薦状お願いできますか。

 

寺田:構わないわよ。

 

道子:今日は本当にありがとうございました。だいぶ気分にな

りました。

 

寺田:そう、よかったわね。がんばってね。

 

道子:はい、がんばります。


© Norio Ota 2008