ヨーク大学日本研究科二学年読解・会話教材
AS/JP2000 6.0 Reading Comprehension and Dialogue
第33課「日本週間」 Lesson 33: 「読解」Reading Comprehension
ヨーク大学日
本研究科は、来
る2月23日から27日まで「日本週間」と銘
打って、
学術的なパネル発
表及
び日本の伝
統的な文
化紹介を行
うことにした。日
系文化
会館など、他にも文化紹介をする機
関がないことはないが、同日本研究科では、
日本研究の充
実を図
り、学
位が出せるよう計
画中であり、より多くの人に日本
のことを知ってもらえると、日本とカナダの相
互理解に役
立つのではないかと
考
え、これを企
画した。特に今年は日
加修好75周年記念にあたるので、「日
本
とカナダ‐過
去と未
来」、「国
際化の中の日本」、「忠
臣蔵の現
代的意義」、「日本
と韓
国」という題で、
パネル発表が行われ、活
発な質
疑応答が期
待される。日
本の伝統文化を紹介するものとして、茶
の湯、生
け花、着
物の着付け、尺
八演
奏、書
道、折
り紙、などが予
定されている。これらの催
しはすべて無
料で一
般
公開である。教
授陣は、試
験や小
論文などで忙
しい学生に手
伝わせるのは、可
哀想だとも思ったが、こういう行
事を準
備したり、組
織したりすると、学生の
ためにもなるので、学生の日本クラブに協
力してもらうことにした。その他、
有
志の学生も募っ
て、各催
し物に数
人ずつ手伝いとして来させるのはどうかと
いう案も
出た。今日は担
当教授二名と学生の日本クラブの代
表三名が、皆が
忙
しくならないうちに準備を進
めるよう会
議をしている。(2004年記)
[会話] Conversation 教
授A:
皆さん、今日は忙しいところを来てくれてありがとう。できるだけ 二十分以
内に終
わらせたいので、どんどん意
見を出してくれると 教授B:
それでは、
すぐ具
体的な内
容に入りましょう。パネル発表は、教
員
が司
会をしますから、あまり手伝いはいらないと思いますが、文化
紹介の方は、どのぐらい学生が動
員できますか。 学生K:
クラブの方
から少なくとも二人ずつは出せると思うのですが、やは
り、ボランティアも必
要でしょうね。 教授A: クラブの学生だけでは足
りませんか。それぞれのイベントに最
低四
人か五人は手伝いがいると、安
心ですね。 学生M: クラブのメンバーで足りないことはないん
ですが、ちょうどその時
間に授
業とぶつかったりして、出て来られない学生も多いのです。 教授B: それでは、メールでボランティアを募るこ
とにしましょう。 学生P: それは、コンピューターに詳
しいメンバーにやらせましょう。 教授A: お
願いします。ところで、皆さんにお願いしてあった武
術のデモン ストレーションの件は
どうなりましたか。遅
れないうちにポスター やプログラムを作
りたいので。 学生B: 実
は、剣
道や空
手や合
気道をやっている知
り合いがないことはない
のですが、時
間的に無
理だったり、費
用の面で
もかなり高かったり
で、困っ
ているのですが。 教授A: そうですか。こちらで何か出来るといいの
ですがね。 学生K: 大学から正
式な招
待状がほしいと言っているグループもあります。 教授B: それは、お
安い御用ですが、あまり乗
り気でないグループに無
理に
来させるというのも悪
いですね。 教授A: 同
感ですね。こちらも予
算がほとんどないので、強く頼
めないのが 痛
いところですが、もし、ど
うしてもだめなら、今年は武術をあき らめましょう。 学生P: もう少し話してみますが、あまり見
込みはなさそうです。 教授B: 今年は「柔
らかい」文化紹介になりそうですね。 教授A: 大学がやる日本紹介ですから、パネル発表
も多いし、これだけで十 分でしょう。 学生M: ところで、すべてのイベントをビデオで撮
ろうと思っていますが。 教授B: そうしてもらえると助
かりますね。後で、ウエッブに載
せたり、来 られなかった人に見せたり出来ますから。 教授A: 大
体こんなところですか。 学生B: ポスターやちらしはどうしましょうか。 教授B: 学
部の広
報担当者が、手伝ってくれることになっていますから、出
来るだけ早
目に情
報を知らせるといいでしょう。来週ミーティング
を持つ予定です。 学生M: 分かりました。後は問
題ないと思います。 教授A: では、読
書週間で学生がいなくならないうちに、ボランティアを集
め
て下さい。
© Norio Ota 2008
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